けんぞーの毒独読書第13冊
「我がシマの話」
2006/06/21(水) 配信
まさかこのエッセイを勉強や仕事の励みにしているゲイなんていないと思いますが(いたら結婚してください)、最終回となるんです。ガーン。13回目で終わりってのも、不吉な感じで良いですね。ふふふ。さて最後にご紹介するのは沖縄を舞台にしたお話。
■バガージマヌパヌス
定職にも就かず、祖母ほど歳の離れた老婆・オージャーガンマーと遊び呆ける美少女、仲宗根綾乃。生まれた島を愛し粗暴なる日々を送る彼女が、ユタ(沖縄の巫女)として目覚めるまでを描いたファンタジー。
音読するとちょっぴり可笑しい響きでもって鼓膜を震わすこのタイトル。沖縄方言で「我が島の話」という意味で、もちろん本編にも豊かなウチナーグチ(沖縄口)が飛び交います。それも相まって、のんびーりした沖縄時間と大らかな島人(しまんちゅ)に過度な幻想を抱きがちなのですが、僕が思ったのは人々の強かな生でした。ってかなり簡潔に感想を述べましたが、わかって。時間がないの(詳しくは本日発売のバディ8月号で)。
「強かな生」とか言うとなにやら壮絶な物語っぽいのですが、実際は奇妙におどけたテンションでおっかしいんですよコレ。それと、長い黒髪に白い肌の沖縄女…という主人公・綾乃の描写であの歌姫を思い浮かべたアナタ、結婚してください(しつこい)。在庫があまりないようで手に入りづらいようですが、大きな図書館などで扱っているので、ぜひご一読あれ。
さて、最後になりましたが、僕みたいな者の書くエッセイにおつき合いくださり、どうもありがとうございました。読書というのは真面目なイメージがありますが、酒やタバコと同じく嗜好品の類だと自分は思っています。たった一文で違う時間、違う場所を体験させてくれる、あるいは過去に置いてきた感情と対面させてくれる、素晴らしい娯楽です。テレビやネットを離れて、めくるめく活字の世界にダイブしてみれば、そこには見たことのない地平が広がっているはず。さあ、新しい刺激を求めてページをめくってみましょう。そのときは、気の「毒」かつ孤「独」な雰囲気を漂わせることをお忘れなく!(なんで?)
バガージマヌパヌス
池上永一/文春文庫/ISBN:4167615010
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