けんぞーの毒独読書第11冊
「トモダチ☆ブラックホール」
2006/03/15(水) 配信
ピアノを弾くためにあるピアニストの指。書類を留めるためにあるクリップ。電源を入れるためにあるスイッチ。アルミ缶の上にあるミカン…
最後のはバディ編集部のマル。が「頭にこびりつく!」と絶賛していたダジャレですが、何かひとつのことを為すためだけに存在し合う関係性というものが、ひどく美しく感じることがあります。シンプルに繋がれたモノ同士で完結し閉じられる、美。美って、そんな大袈裟な。けれど、関係し合うことで様々な可能性を見いだせるようになってくると、途端に複雑さを増し収拾のつかない広がりを見せます。とくにゲイ対ゲイだなんて、ほんと閉じることを知らないんだからっ! つう感じで今回も強引にイキまーす。
■対岸の彼女
30代子持ちの主婦・小夜子は、同い年の独身女社長・葵のもとで働きはじめる。葵が過去、親友の同級生と自殺未遂を図っていたことを知った小夜子は、わずかに芽生えていた葵との友情を信じられなくなるが…。
ズバリ“友情”という、ちょっと気恥ずかしいテーマの小説。とかく女同士というと、なにやら面倒臭そうですよね。ついでにメンス臭そうですしね。「勝ち犬と負け犬の友情」みたいなポップなノリの売り文句でamazon.jpにて紹介されていますが、えーコレそんなんじゃなくね? けんぞーはもっと感傷的に読ませてもらいましたよ。
ゲイ同士の場合、恋愛対象はもちろんだし憎い恋敵になったり、セクフレ的な関係もあるわけで“トモダチ”と呼ばれる中にもいろいろ含まれますよね。さらに自意識渦巻く場所でだけ関わる場合も多いわけで、深い信頼関係を結ぶとなるとそれこそセックスくらいしなきゃなのかも知れません。僕には幸い、まったく体の関係がないものの、お互いの放屁を嗅がせ合える(キモチワルイ)くらいの旧く濃い友人が数人います。なかなか色恋市場からアガりづらいゲイの生態を思うと、歳を負うごとに色気対象ではない存在が貴重になってくるのを実感しますよ。恋が昇華してパートナーと呼べるくらい揺るがない人がいれば別ですが、そんな未来予想図が描けないけんぞーは、老後、仲良し数人で一緒に暮らそうと割と本気で考えてます。だから、アンタたち裏切って男に走んじゃねぇぞ!
対岸の彼女
角田光代/文藝春秋/ISBN:4163235108
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2011 TERRA
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