いやぁゲイムービーってホントにすばらしいですねぇ第20回
欧米ゲイ版ロマンポルノに濡れ濡れ
2005/01/05(水) 配信
お正月は「ハウルの動く城」とか「Mr.インクレディブル」あたりを観た人が多かったんじゃないでしょうか? もうすぐ、話題の超大作ゲイ映画「アレキサンダー」も公開されます(3月号で日夏さんと北丸さんがコメントしてるので、読んでね♪)が、「いやゲイ」としては、もっとマニアな攻め方で(最近マニアぎみ)イッてみたいと思います!
今回紹介するのは、ひさびさにボーイズラブムービー。いわゆる「やおい」のイメージを持たれがちですが、そういうものを期待した女性たちを失禁させるような、ドぎついエロスが満載だったりします。要は海外の美少年とか美形体育会系モデルたちが繰り広げるポルノ映画なわけで、中にはひらすらヤリまくってるビデオもあるし、映画館で上映される立派な映画もあります。今回は立派なの(好きでしょ?)を2本、ご紹介。
■ハードコア・デイズ
上野の世界傑作劇場など、全国8箇所にあるゲイポルノ映画館。そこで上映されているゲイ映画には、まさに傑作が多く、過去には海外での評価も高い映像作家・大木裕之さんの作品も上映されていました。この映画「ハードコア・デイズ」も、現在梅田ローズ劇場で公開中ですが、世界の映画祭に出品&受賞もしている作品で、濡れ場もきちんとありつつ息もつかせぬストーリー展開で見せる、かなりのクオリティ。いわば、欧米ゲイ版のロマンポルノです(四畳半がモーテルになったと思えば近いかも)
原題の「THE FLUFFER」とは「勃たせ屋」という意味(邦題「勃たせ屋」では映倫を通らなかったという裏話も…)。ノンケでナルシストで荒くれ者なポルノスター男優と、勃たせ屋として彼のチンコはシャブっていても気持ちはつかめないことに悩む主人公とのドラマティックな関係の揺れ動きを描き、とてもリアルで共感を呼ぶシチュエーションです。そこに、男優の恋人であるストリップダンサーの女や、ビデオメーカーで働くオコゲ女や、様々な人間ドラマがからまりながら、物語はあっと驚く(ちょっと大映ドラマっぽい)様相を見せます…。主人公ショーンのポルノスターに対する思いの激しさは、一歩間違えばストーカー級。ちょっと「リプリー」のマット・デイモンを彷彿とさせるものがあります。
ポルノスター役は『ビバリーヒルズ青春白書』に出ていたというスコット・ガーニィ。さすがというか、顔も体も見事な色男で、男も女も虜にする魔性の貫禄があります。ダメな男ほどのめりこんじゃうっていうか…だめんずな方々は間違いなくハマりますね。
ハッテンも兼ねて、ぜひ観てみてください。たとえデキなくても、元は取れます。
『ハードコア・デイズ』 THE FLUFFER
アメリカ/94分/監督:リチャード・グリツァー&ワッシュ・ウエスト/配給:ENKプロモーション/協力:S.I.G
上映館:〜1/31(月) 梅田ローズ劇場。以降順に、オークラ1劇場(福岡)、的場シネマ(広島)、光音座1(横浜)、シネフレンズ西陣(京都)ほかにて公開。
http://www.gaycinema.info/new/index2.htm(PC版)
■ジャレッドの旅立ち
主人公のジャレッドは映画監督になることを夢見て、ド田舎のジョージアから単身、LA(ロス)に出てきた若者。自分がゲイだということをまだはっきりはわかっていないタイプなんだけど、本能か偶然か、ウェストハリウッド(有名なゲイタウン)の安宿を見つけて泊まり込みます。もちろん、相部屋の男の子もゲイだし、彼が男を連れ込んで部屋に入れなくなったとき助けてくれた子もゲイだし…。そうこうするうちにジャレッドは、往年の大女優の家に住みこみで働く仕事を見つけます。が、女優の息子マシュー(30代半ば。胸毛の似合うダンディな社長)に誘惑され、事態は思わぬ方向に…というお話。
ジャレッドは、いかにも田舎から出てきた風の、純朴でカワイイ原石タイプの美少年。潤んだ瞳が小犬のようです。そんな子が、おずおずと、やっと出会えたという感じで年上の男に抱かれるシーンは、ゾクゾクします。男も手慣れたもので、大人の余裕を見せながら少年を快楽に導いていきます。ヘタなポルノビデオよりよっぽど濡れるシーンです(抜けるというよりも)。でも、何も知らないジャレッドは、その行為を「愛」の証だと思い、マシューに裏切られます。純粋無垢な彼が傷ついていく様は、本当に痛々しくて、汚れた大人を憎みたくなります(自分のことは棚に上げて)
あまり詳しくは言いませんが、マシューのオフィスで、秘書の黒人デブ女が「アンタねえ、そんなこと続けてたら、いつか周りから誰もいなくなるわよ」と忠告するシーンが、素晴らしくカッコいいです(同上)
同性婚も射程距離に入っているアメリカですが、この映画は「ゲイカップルは果たして1対1のパートナーシップを続けていけるのか?」というシビアな問いを僕らに投げかけます。また、都会に出て行けば、いたるところで同じゲイに出会えるし、何不自由なく暮らしているけど、必ずしもシアワセは容易に手に入らないというリアリティ。そして、今のアメリカ社会でも、若者がゲイというアイデンティティを受け容れるまでには葛藤があるんだなあという驚き。いろんなものが詰まっています。
残念ながら今のところ、S.I.Gで販売されているビデオじゃないと観れない作品ですが、これは僕らも同じ目線でシンクロできる傑作ゲイ映画だと思います。ちょっとお高いですが、ぜひ観てみてください。
『ジャレッドの旅立ち』 The Journey of Jared Price
2000年/米/監督:ダスティン・ランス・ブラック/96分/5800円/SIGF-022
http://www.sig-inc.co.jp/news/#01
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