いやぁゲイムービーってホントにすばらしいですねぇ第19回
「幸薄い女」映画対決!! あなたはどっち派!?
2004/10/29(水) 配信

 今回のオススメ映画は2本。どちらも「幸薄い女」の映画です。「幸薄そう」とは僕もよく言われるので(苦笑)他人事ではないのですが、そういう女が意外と私生活は幸せだったりするから人生面白いですよね。これから紹介する2本、きっと前半は聖子とかユーミンファン向け。後半は明菜とかみゆきファン向けです。さあ、あなたはどっち?
●『connie & carla コニー&カ―ラ』
 ショボくれたラウンジで売れない歌うたいとして暮らしているリアル女2人がひょんなことから殺人事件に巻き込まれ、逃亡するうちになぜかドラァグクイーンのショーパブにまぎれこみ、女であることを隠してショーをやり始めたら大当たりしちゃってちょっとしたスターになり…というお話。「ドラァグクイーンやって本当によかったね…あれ、女だっけ?」みたいな感情移入をさせつつ、最後には泣かせもするという、にくい映画です。
 見どころはなんと言ってもショータイムの楽しさ! 『キャバレー』『シカゴ』『エビータ』『南太平洋』など、オカマ大好きミュージカル続出な選曲(音楽監督は『シカゴ』と同じ人)に加え、衣装やヅラ、振付など、すべて本格的なドラァグ仕様。『プリシラ』ほどの奇抜さやゴージャスさはないけど、『3人のエンジェル』よりは間違いなくゲイ好みで、かな〜り楽しめます。『ムーラン・ルージュ』みたく、DVDではショータイムの完全版を入れてほしいです♪
 それからこの映画、『ロミ&ミッシェル』以来の笑える「女同士の友情」映画だったりもします。2人とも一般社会では全然ぱっとしなくて、ドラァグだからこそ活きるキャラ。特にカーラが絶品。ドラァグ姿は往年のジュヌヴィエーヴそっくりです。リサ・クドロー以来の幸薄キャラですな。『ロミ&ミッシェル』もそうだけど、この2人の組み合わせはたとえればミーとケイ。きっと好きになるゴールデンコンビ(人気はケイに集中)です。
 同様に、出演する男性陣も、決してハンサムじゃないけどイモカワイイ系だったり、ガタイのいいハゲオヤジだったり、世間的にはイケてないけどゲイにはウケるようにキャスティングされてるのが素晴らしい。
 監督さん(ドラマの『フレンズ』を手がけた人)、絶対ゲイです。間違いない。
『connie & carla コニー&カ―ラ』
2004年/米/監督:マイケル・レンベック/配給:UIP/11月13日より日比谷スカラ座2にて(他は全国順次)公開
http://www.uipjapan.com/connie-carla/(PC版)

●『モンスター』
 モンスター、この私のかわいい人〜♪などとお気楽に観れる映画ではありません…。
 子どもの頃から男に犯され、家を追い出され、街娼となって放浪の人生を生きていたアイリーンが、たった1つの愛にすがり、必死に夢を見て生きようとする、せつない実話です。誰からも見向きもされないアイリーンを愛し、目覚めさせるのは、いかにもフェミニンなビアンのセルビー。二人の愛は本当に純粋で、悦びに満ちていたけど、そんな生活も束の間。アイリーンは半殺しの目に遭わせた客を怒りにまかせて射殺してしまい、その後も、生きるために、セルビーのために、殺人を繰り返します…。(ストーリーは公式サイト等にも書かれている通りです)
 北丸さんの連載(5月号の「NY通信」)でも紹介されていたように、絶世の美女、シャーリーズ・セロンが13キロも太り、眉毛も化粧もなくすさまじい形相に変貌し、見た目から仕草から見事にアイリーンを演じきってアカデミー主演女優賞を獲りました。彼女はレズビアンだから殺人鬼になったのではなく、やむにやまれぬ事情があった。そして、娼婦を見下し食い物にしている男たちやそういう社会への痛切な抵抗として殺人を繰り返しているフシもある。
 法廷で、セルビーに迷惑がかからないようにと願うアイリーン、そして自らの犯した過ちを償うために処刑場へと向かうアイリーンは、なんだか気高く、美しく見えました。セルビーへの愛に忠実に生き、死んだ彼女は、決して不幸じゃなかったんじゃないか…そう思えました。
 ヘビーだし、殺人のシーンとかはキツいものがあるけど、日頃「アタシってなんて不幸なオンナなんだろう」と思ってる人は観るべきです。きっと勇気づけられます。
『モンスター』
2003年/米/監督:パティ・ジェンキンス/配給:ギャガGシネマ/渋谷シネマライズ他にて公開中
http://www.gaga.ne.jp/monster/(PC版)


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