月刊Gaymer第6回
「つくします うらぎりません だけじゃだめ」
2002/01/30(水) 配信
 その昔『存在の耐えられない軽さ』という恋愛小説がありましたが、恋愛は軽くても重たくても具合がよくなくて、なかなか丁度いい重さにはなりにくい。それでなくてもゲイ同士の恋愛はタブーが少ないから、重さの幅が広すぎて困っちゃう。押し付けるだけの重たい恋愛も振り回されるだけの疲れる恋愛もセックスだけの薄い恋愛も、もううんざり。じゃあ、どんな恋愛がいいんだろう?
 理想的な恋愛なんて、結局は人それぞれ。て、それをいっちゃあおしまいなので、ある一つの示唆として、今回はCMソングも好調な『ピクミン』を(いまさら)ご紹介。
 ピクミンは主人公が不時着した星に生息する宇宙生物。普段は地中に埋まっていて、自分を引っこ抜いた相手についてゆき、その命令に従う性質を持っている。そのピクミンの助けを借りて星の各地に散らばったロケットのパーツを集め、期限内に脱出するのがこのゲームの目的。
 ジャンルとしてはアクションやパズル、シミュレーションと言った感じなのだけど、ピクミンという存在がこのゲームをより特別なものにしています。このピクミン、最初は無表情に見えるし一言も喋らないし、で全然かわいくない。でもひたすら主人公の後をついてきてその命令に従っている様子を見ていると、いつのまにかピクミンに愛着を持ち始めていることに気づくのです。自分のミスでピクミン達が他の生き物にムシャラムシャラと食べられる事に罪悪感を持ち始めたら、貴方も立派なピクミン中毒。四六時中「たべ〜られ〜る〜」とCMでお馴染みのあのフレーズが頭を離れなくなったら重症です。つか病気なので医者を呼びましょう。
 要は、ピクミンにどれだけ愛着が持てるか?というのがこのゲームの肝なわけですが、このゲームには既存のキャラクターゲームにありがちなコケティッシュさは一切ありません。ピクミン自体、造形的にかわいくないし、弱肉強食の世界は妙にリアルだし。だからいくらピクミンが黙々と主人公の後をついてきて一方的な命令を聞こうとも、忠犬が人間に寄せる一途な愛情のような悲壮感が一切無い。ピクミンが食べられてるの見て「かわいそう〜」とか思っちゃうのは、それこそ一方的な感傷でしかないのです。
 はっきりいってしまえば、その感傷にすら次第に慣れてしまい、ピクミンを単なる道具として扱うようになってしまいがちなのだけれど、全然それでも構わないと思う。というか自分の場合は食べられるピクミンの姿が見たくて見たくてしょうがないクチだったし(人でなし)。そしてそれにも飽きた頃、それでもなぜかこのゲームをプレイしてしまう、という所にこのゲームの魅力、ひいては人と付き合う事の魅力があるんじゃないでしょか(ホントか?)。
 最後にゲーム本筋とは全然関係ないのだけれど、ピクミンCMソングの一部「でも 私達 愛してくれとは言わないよ」がとてもシミます。普通に聞き流せば、とても陳腐な台詞(失礼)なのにね。

「ピクミン」
機種:ゲームキューブ
ジャンル:AIアクション
発売元:任天堂

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